ご挨拶

動物は医療を理解することができないので、どれだけシンプルなことでも医療行為を拒むことは日常茶飯事です。そのため、麻酔、鎮静、疼痛管理は検査や治療を行う上で大きな役割を果たします。

 

しかし、麻酔をかけると薬の影響によって体内の様々な機能のバランスを保つ力(恒常性維持力)が低下してしまいます。この恒常性維持力は覚醒時はもちろん、睡眠時でも保たれます。けれども、薬によって意識を奪う麻酔は普通の睡眠とは大きく異なり、それが故に深刻な状況に陥ると生命を脅かすこともあるのです。

一方で、麻酔管理の中で最も重要なミッションは「麻酔から覚醒させること」です。当たり前のことのようですが、丁寧な麻酔管理を怠ると達成できないこともあります。

質の高い麻酔・疼痛管理に必要なのは「万が一」を想定してそれに備えることであり、そのために様々なことを理解する必要があります。

  • 医学生理学、薬理学

  • 患者の健康状態

  • 外科治療、内科検査の内容

  • モニタリングの原理と構造

  • 緊急時の対応方法

「100%安全な麻酔」というものはありませんが、慎重で丁寧な麻酔・疼痛管理をすることにより安全性を高めることは十分可能です。

 

近年、獣医療においても専門性を求められるようになっています。しかし、日本やアジアでの獣医麻酔科の浸透は、確立された専門医制度が存在している欧米と比べまだ遅れをとっているのが現状です。

数少ない(2020年現在、日本在住は2人)米国獣医麻酔疼痛管理専門医として、一般的なペット、馬や牛のような大動物、エキゾチック動物、そして重篤な動物患者に麻酔・疼痛管理を提供し、向上心のある獣医師のために獣医麻酔科学を学ぶ場所を提供したいと思いから、立ち上げたのが「Veterinary Anesthesiology Consultant」です。

理念

【Respect】

獣医療は一人では成り立ちません。立場は違えど多くの方の繋がりがあります。それが故に、意見が食い違うこともあります。けれども、「動物のために」は共通認識です。お互いに敬意を払いながら良いチームワークを築いていきましょう。

 

【Communicate】

飼い主さんや同僚との摩擦の原因がコミュニケーション不足であることは少なくありません。裏方である獣医麻酔科も正確な情報を必要としています。患者に関わるのが誰であれ、信頼関係を築くためにも情報の共有、そして、お互いへの理解は不可欠です。迅速な判断が要される状況でも円滑な対応ができるよう、良いコミュニケーションを習慣にしていきましょう。

 

【Educate】

人医療には劣りますが獣医療も常に変化をしています。10、15年前は当たり前だったことが今は推奨されていないこともありますし、新薬の開発によって治療法が変わることもあります。そのため、米国獣医麻酔疼痛管理専門医として質の高い教育を提供することを約束します。教育は、説く者とそれを受け入れる者の両者が必要です。独り善がりではなく、誰にでもわかりやすく情報を提供し、また、新しい意見を受け入れる柔軟性を忘れずに日々精進していきたいと思っています。

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